昨年の秋頃からでしょうか。
従業員のメンタルヘルスについて、企業側・従業員側を問わずご相談をうける機会が多くなってきました。
従業員のストレスの度合いやモチベーションの維持は、経営者にとっても悩みどころかと思います。
会社にとっては不況の時の経費削減は当然のお話ではあるのですが、従業員のモチベーションの問題も
同時進行で発生するのも常です。
モチベーションとメンタルヘルスの問題も遅からず出てくるかと思われます。
『事務所便り』第48弾は、会社の経費削減と社員のモチベーションについてです。
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会社の経費節減と社員のモチベーションとの関係
◆インターネットによる調査
NTTレゾナント株式会社は、昨年12月に、インターネットを利用した「コスト削減と働くモチベーションに関する意識調査」を実施し、先頃、その結果を発表しました。
調査の対象は、従業員数10名~299名の中小企業に勤めている20代・30代の社員であり、524件の有効回答があったそうです。ここでは、この調査結果について見ていきましょう。
◆どんなコスト削減が行われているか?
2008年秋の世界同時不況以降、様々なコスト削減の取組みが各社で行われていると思いますが、「あなたの会社でどのようなコスト削減が実施されましたか」という問いに対する回答(複数回答)は、次の通りでした。
(1)コピー費の削減(カラーコピーの禁止、出力自体の抑制等)…58.8%
(2)残業禁止による残業代削減…41.8%
(3)交通費の削減(出張の抑制、タクシー代削減等)…41.2%
(4)交際費の削減(お客様の接待抑制、禁止等)…34.2%
(5)通信費の削減(会社携帯電話の取りやめ、携帯代金の自己負担等)…27.1%
(6)オフィス家賃の削減(オフィス移転、オフィス縮小等)…18.9%
◆6割以上がモチベーション低下
また、「コスト削減によって業務が非効率になったと感じたことがありますか」という質問に対して「ある」と答えた人は52.1%、「ない」と答えた人は47.9%でした。
そして、「コスト削減によって働くモチベーションは下がると思いますか」という問いに対しては、「大変思う」が22.1%、「思う」が39.1%、「思わない」が31.1%、「全く思わない」が7.6%という結果となり、「大変思う」「思う」を合わせると、6割以上の人が「コスト削減によりモチベーションが下がる」と感じているということになります。
◆重要なのは「お金の使い方」
業績が悪いときに「コスト削減・経費節減」を考えるのは会社として当然のことでしょう。しかし、業務を担っている社員のモチベーションが下がり、働く環境が悪くなってしまっては何にもなりません。
コストのかけ方や経費の使い方だけが社員のモチベーションに繋がるものではありませんが、今の厳しい時代、「切り詰めるべきもの」と「お金をかけるべきもの」をきちんと見極め、社員のやる気をアップさせるような「お金の使い方」が求められるのではないでしょうか。